その後ですが、昔イヤフォン端子を買っておいたのを思い出しました。そこで、実際にはあまり使いませんが、イヤフォンでも聞けるようにして、より市販のポータブルラジオに近づけてやろうと思いました。
というわけで、始めにちょっとイヤフォン端子の構造を紹介しておきます。アナログのミニジャックイヤフォン端子には、リード線の端子が三つあります。上の写真をご覧下さい。黄色い四角で囲ってあるところがスイッチになっています。通常はこの部分がくっついていて、「スピーカー出力より」と書いてある端子から「スピーカー"+"へ」と書いてある端子へ信号が流れます。イヤフォンジャックが挿入されると、その部分が切れて、信号がイヤフォンジャックに流れます。「アース」の端子は、イヤフォンジャックのマイナス信号が流れるところで、スピーカーの"−"端子に繋がるリード線と、基盤のスピーカーへ接続する"−"側の部分へ繋がるリード線の二本が接続されます。
ところで、どこへイヤフォン端子を設けようか、ちょっと考えました。最初はイヤフォンを接続するつもりがなかったので、ケースへの各部品のレイアウトを、かなり厳密に決めてしまいました。まだイヤフォン端子を付けるスペースはありますが、変なところへ付けると、文字通り「とってつけた」ような感じになってしまって、かっこよくありません。そこで例の「なんちゃってバスレフ」穴と平行な位置へ取り付けることにしました。この位置は基盤の裏側に当たる部分で、スペーサーがあるおかげで空間が充分にあって、他の部品と干渉せずに、かつ取り付けても不自然にならない唯一の場所です。そこでここに決め、穴を開けることにしました。作業しやすいように、一旦部品を全部外し、スピーカーのリード線もハンダごてで熱して外し、ケースだけにします。端子の径をノギスで測ったら6mmだったので、6mmのドリル刃で開けました。端子を仮止めすると、何の問題もないようなので、これで位置が決まりです。
今度は端子にリード線をハンダ付します。最初の写真と見比べてください。右下の赤い線が基盤へ、左上の赤い線がスピーカーの"+"へ繋がります。この後スピーカーにもハンダ付し直します。
イヤフォンジャックを挿して動作確認すると、ちゃんと鳴ってくれたので、再び部品をケースに収めます。今度こそ本当の完成形です。これで病院に入院するときも持っていけます(^^;